↑料理の写真がたくさんあったのは意外でした。稲垣さんらしい食卓。美味しそう♪
「もうレシピ本はいらない」というタイトルに惹かれて本を手に取りました。
料理に自信のない私などは、ちょっと新しいものを作ろうと思うと、今ならネットで検索して、手順や調味料の配分などを調べることになります。
これがけっこう面倒なんですね。
本当ならレシピ本など必要ないくらいなんでも作れるほどの技量があればいいのですが、もちろんそんなものはない。
稲垣えみ子さんの「もうレシピ本はいらない」を読んでみたいと思ったのは、料理に対してもっと違う取り組み方ができないか、と考えていたときでした。
気持ち的にもっと楽に料理したい。
作ることも食べることも、もっと楽しみたい!
一人暮らしの日常で、料理を義務のように感じながらやり過ごすのは、なによりもったいない。
目次
料理を苦行にしないために
仕事でも実生活でも、料理は日常の必須作業です。
今「作業」と書いて気が付きましたが、どうも自分の中で「作業」という意識があるんですね。
だから楽しくない。
楽しいことは続くといいます。
でも、料理は楽しくなくても毎日やらなければならないこと。「必須」です。
楽しくない原因は何かと考えたとき、料理手順や調味料の配分をいちいちレシピを見なければならないためだと気が付きました。
煩雑に感じて手が止まってしまう。
結局、面倒なんですね。
この気持ちの重さを解き放つにはどうしたらいいか?
ここがスタート地点でした。
食べものにはそれぞれ本来の旨みが隠れている
自身、健康オタクを自認しているので、食べるもので健康になる方法があると知ると、気になるものは一度は試してみることにしています。
最近は野菜スープを何度か作りました。
以前、普通にブイヨンなどを使っていたスープとどこが違うかというと、野菜だけの旨みで食べることです。
必要な調味料は塩だけ。
稲垣さんはあるとき、出汁はかつおだけではなく、食品そのものがそれぞれ持っていることに気づくのです。
それは、昼休みにコンビニで買うインスタント味噌汁がきっかけになるのですが、実は私もだいぶ前から稲垣さんと同じような味噌汁の作り方をしています。
それは、鍋で味噌汁を作らないこと。
結局、ひとり分の味噌汁なんて、お椀一杯で済むことなので、いちいち鍋で作る必要はないんですね。
私が毎日のように食べている味噌汁の具は、切り干し大根と細切りした昆布。または、納豆です。切り干し大根は、お椀に入れて熱湯を注いぎ、数分待つだけでそこそこ食べられる状態になります。私はこの歯ごたえも好き。
野菜スープをたくさん作ったときは、残りの野菜を味噌汁に仕立てることもあります。
基本、ご飯には味噌汁をセットにして考えています。
話がそれましたが、
稲垣さんが発見したのは、食品そのものが持っている旨味を活用すること。
なにも、あとからかつおだしを入れて、全てをかつお風味にする必要はないということだったんですね。
そして、食品の旨みをさらに濃厚にするために、天日干しをします。
これを、「強火の遠火」と稲垣さんはのたまうのです。
↑料理がシンプルなら調理器具も少なくて済む。収納に頭を悩ませることもない?
ぬか床を育てる?
「もうレシピ本はいらない」を読んで、絶対やりたい!と思ったのが、この「ぬか漬け」でした。
昔はどの家庭にもぬか床があって、当然ながら我が家にも毎晩のようにぬか漬けが登場していました。
私が一番好きだったのはニンジンのぬか漬け。
母にねだって漬けてもらっていたような記憶があります。
稲垣さんもあるとき急にぬか漬けに目覚め?ぬか床ライフに突入します。
このあたりのぬか漬け体験記が、これからぬか漬けを始めようとする初心者にはとても参考になるんですね。
ぬか漬けはただ漬け物としてご飯のお供にするだけではなく、サラダに加えたり、炒め物に投入したりと、考え方を柔軟にするだけでいろいろな使い方ができることに気が付きます。
ぬか漬けは難しいとか、毎日手をかけなければならないので旅行にも行けなくなる、と考えると始めるのに二の足を踏みそうですが、稲垣さんが言うところの、ペットを飼っているようなものだと考えれば覚悟も決まります。
一晩つけておくだけで食材を変身させてくれるマジックボックスの中には、微生物くんたちがいます。
一日一回、ただかき回してあげるだけで元気で働いてくれるなんて、ひたすら感謝しかありませんね。
まとめ
「もうレシピ本はいらない」を読んで、目が覚めた思いがしました。
レシピ本に依存し過ぎていた自分に気が付いたんですね。
自分の舌をもう少し信頼してもよかった。
だって、自分で料理して自分が食べるなら、自分の舌で味わいながら決めればいいんですもん。
野菜だったら素材をそのまま食べてみて、本来の味を覚えてくことも必要かも。
先日、春菊を切っているときに、まな板に残った葉の部分を何気なく口に入れたら、その美味しさにびっくり!
生なのに塩加減が絶妙で、それから何度か春菊のサラダを食べました。
素材が教えてくれるレシピなら、大歓迎!
料理は自由への扉だ。
だから自分で自分の人生を歩きたければ、誰もが料理をするべきなのである。
男も、女も、子供も。自分で料理をする力を失ってはならない。
それは自らの自由を投げ捨てる行為である。
あとがきにあったこの言葉。
自由への扉を抜けると、その向こうに見えるのは自立への道かもしれません。