単色の刺繍は繊細だけど多彩 松本朱希子さんのちいさな刺繍本から広がる世界


本の中から選んだ花を鉛筆で直接袋に描いていったもの。鉛筆の跡が気になるようなら、水性のチャコペンを利用してもいいかも。

図書館でふと目について手に取ってしまったのは、遠慮がちなちいさな刺繍がいくつも並んだ控えめな表紙のせいだったかもしれません。

かえる食堂の「ちいさな刺繍」。
松本朱希子さんのミシン刺繍の作品本です。

カラフルでふっくらした刺繍の作品も楽しいし、かわいい。
でも単色の刺繍に特に惹かれるのは、まるで鉛筆画のスケッチを見ているようなシンプルさと、ひかえめなのに不思議な存在感のせいかもしれません

松本さんの刺繍の繊細さは、ミシン刺繍の目の細やかさのせいだと思うのですが、ミシン特有のピンと張った糸のつながりが、強さと繊細さを同時に表しているような気がします。

眺めるだけでも癒される、ペン画のような刺繍本です↓

でも機械に弱い(今はミシンも持っていないし、実はちょっと苦手)私には、ミシンでデッサンのような輪郭を縫うことは難しそう。でも、手で刺すのはできそうと思い、縫い糸で刺してみることにしました。

↑本の中にあったクリスマスローズのデザインを見ながら鉛筆で直接袋に手描きし、そのラインに沿って黒の縫い糸でバックステッチをしてみました。

バックステッチのやり方はこちらの動画を参考にしてみてください。↓

私が単色の刺繍に惹かれるのは、むかし刺し子の講習を受けたことがあるからかもしれません。

刺し子も基本は藍色の布に白のステッチ。
花布巾にしても、その頃は白のさらしに赤い糸、くらいだったと思います。
単色の刺繍と同じですね。

刺し子は直線的。
「ちいさな刺繍」は植物にしろ動物にしろ、アウトラインが重要です。

多色づかいのカラフルな刺繍にも惹かれますが、白い生地に単色で刺す刺繍の清楚な雰囲気には独特なものがありますね。

花柄は普通ならふっくらと刺したいところを、わざと縫い糸1本で刺すところに、オトナの可愛らしさがにじみます。薄手の布地にもなじむので、まるで糸でスケッチをしているようです。

単色の魅力は、想像力がふくらむところでしょうか。
一色しかないはずなのに、多彩な世界の広がりを感じさせます。


↑くすんだ緑色の手縫い糸1本で刺しました。画像ではよくわかりませんが、黒糸とはまた違った雰囲気があります。白木蓮の花です。

刺しゅうの仕方はとてもシンプルです。
身近にあるものをスケッチして、そのアウトラインを刺繍したい布に写し取り、あとはただバックステッチをするだけ。

私は布にいきなりデッサンをしてしまいました。
本とバランスが多少違っても、それも愛嬌^^

花でなくても身近なものを簡単にスケッチして、それをバックステッチで刺していきましょう。

たとえば、眼鏡、ハサミ、ホチキス(今、自分の周りを見回して目に入ったもの)など。

野菜やくだものをスケッチしてもいいですね。
ご近所を散歩したとき目に入った花を撮っておいて、あとでそれをデザインしたりして。。

そういうものをコレクションしておくと、刺繍のデザインは無限にあることに気が付きます。

できあがったエコバックはこちら↓

二つの花を比べてみると色の違いが分かります。
黒糸は1本でも輪郭がはっきりしますが、茶色やグレーの糸を使ってもいい雰囲気になりそうです。

ほかにも、、
たとえば、小さなお子さんのいる方なら、子供の描いた絵をトレーシングペーパーで写し取り(この場合は正確に取った方がいいです)、その絵を単色1本糸の刺繍を丁寧にすることで素敵な作品が出来上がりますね。縮尺して袋物のワンポイントにしてはいかがでしょうか。

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コメント

  1. 渡辺敏之 より:

    素敵なサイトですね。

    写真もスッキリしてグウ

  2. sara より:

    訪問していただき、ありがとうございます^^

    手作業が好きで、時間を忘れます。
    写真は苦手ですが、なんとか頑張っているところです。
    また遊びに来てください。
    お待ちしています。。