手編みのカーディガンや前開きベストにボタンをつけるとき、ボタンホールを作らなければなりません。
でも、これがけっこう面倒なんですね。
前立てを作るときに最初から位置を決めておいて、その場所に編みながら穴をあける方法もありますが、あとで場所の修正ができないので次第にその方法は使わなくなりました。
今回は、これだけ覚えればカーディガンでもベストでも、簡単にボタンホールができて、しかもきれいに見える方法をご紹介します。
↓この画像の上部の穴がゴム編みを編むときに伏せ目をして穴を開けた方法です。
空けたままで縁の処理はまだしていません。
今回のボタンホールのやり方は、”無理穴”という方法です。
画像だと下の(毛糸針が置いてある方)方法です。
ニットの伸縮性を利用して、とじ針などで開けたい場所の目立たないところ(ゴム編みならへこんだ裏編みの部分)の目を1本1本引っ張って伸ばし穴を広げます。
指を使ってぐりぐりと穴を大きくする人もいますが、私は一本一本糸を引っ張って3本くらいを目安にして穴を大きくします。そのほうがしっかりとした穴があくような気がします。
そして穴があいたら、その糸3本くらいをまとめて横に引っ張るのですが、そのときかぎ針を使って、編地と同じ糸で、フリンジをとじ付けるようにボタンホールの穴の左右に取り付け、その糸を左右を引っ張りホールの目をできるだけ横長にします。(そのほうが穴が目立ちません)
そのとき編み糸を1本そのまま使うととゴロゴロするので、糸の撚りを戻して半分くらいの細さにします。(割り糸といいます)
この画像の糸は3本撚りだったので、1本を抜いて2本でボタンホールをしました。(あまり甘撚りの糸などの場合、割り糸にすると切れやすくなるので注意してください)
その糸を裏側に回し、ボタンホールのアウトラインに沿って糸始末をします。
この縁の始末はボタンホールをすることが多いのですが、これがけっこう難しいんですね。
布地にするような細かいステッチでボタンホールにしようとすると、固くなって伸びがなくなります。ボタンホールステッチをするなら少し荒目のステッチにしたほうが無難です。
ボタンホールステッチをしたほうが丈夫にはなりますが、私自身は最近あまりやらなくなりました。裏で糸処理をするときに、糸を「コの字」のようにくぐらせるだけでも縁は丈夫になります。
一番気をつけたいポイントとしては、ボタンホールステッチをかっちりし過ぎて「目玉」のようにまんまるくしないこと。
目指すのは、カーディガンや前開きベストを羽織ったとき、ほとんど穴が目立たないようにすることです。
まるで編地の一部のようにとけこんでいる状態がベストですね。