アフガン編みで小さなマフラーを編んでみました。
参考にしたのは、林ことみさんのアフガン編みの新刊「もっと知りたいアフガン編み」です。
この小さなマフラーを編みながら、あらためてアフガン編みの魅力と特徴について考えてみました。
最近はネックウォーマーばかり編んでいたのだけれど、久しぶりに小さめのマフラーをアフガン編みで編むことにしました。
↑編地は2色づかいのすべり目模様です。高さをある程度編むと安定しますが、段数が少ないとすべり目を入れた編地は特にくるくると端が丸まってイカ(スルメ?)状態になります。
↓こんな感じ。
ただ、今までマフラーを編むときは幅を決めて長さは実際に巻いて様子を見ながら編むことが多かったのですが、このアフガン編みのマフラーは、長さを先に決めて作り目をし、幅の段数を編むというやり方です。
小さめのマフラーといっても長さは必要です。
しかも参考にした本の中のマフラーは、幅は10㎝でも長さは140㎝あります。
↑編みあがってすでにアイロン仕上げをした状態。
ふだんはほとんどスチームを当てるだけなのに、このすべり目模様を安定させるために裏側から丸まってしまいがちな上下部分をしっかりアイロンしました。
アフガン編みの針には、シングルフックとダブルフックがあります。
今回の模様はシングルフックを使っているので、表と裏の模様の違いがハッキリしてしまっていますね。
個人的には、マフラーはリバーシブルな編地がいいかなと思っているので、本来ならダブルフックのアフガン針を使って両面づかいにしてもよかったのではと思いました。
ただ、このすべり目づかいの模様がとてもきれいなんですよね。
なので、裏が見えても、これならOK!
この波型の模様って、縦づかいにすると江戸小紋の立涌(たてわく)の柄に見えませんか?
編み図はこちらになります↓
アフガン編みは行って返って(往復)初めて一段になります。
行くときの記号は縦の棒。
今回、この縦棒に斜めの線が入っている部分があります。これが「長編み」。
これがあるので高さが出るんですね。
どうやってアフガンで長編みをするか?
それは、表編みをする前に一度かけ目をして表編みをし、また糸をかけたら、かけ目の目と一緒に(二目分)編んでしまいます。(なので目数は同じ)
言葉だけだと伝わりづらいかも知れませんが、実際に手を動かしてみるとすぐわかります。
このマフラーの作り目は308目あります(!)
模様がずれたりしたら、ほどくのが大変!
棒針ならテレビを見ながらでも編めるものが、今回は本当に手元ばかり見て編んでいました。
しかも模様の部分は数えながら編んでいたので(それでも間違えた!)、好きな番組も内容がよくわからないような感じ。
しかもしかも、一番大きな間違いは、この2色づかいの模様が後半の三分の一くらいで色が反転するはずだったんです。
冒頭の完成したマフラーと、その下の試し編みのベースの色の違いが分かりますか?
これは逆にしたものです。
実は、参考にした本のマフラーは途中で色を反転させているので、単調ではなく、全体に深みと面白味が出ているんですね。
本を眺めていたときは、そういうふうに編むつもりが、数を数えたり、間違えないようにしなくてはと考えているうちに、すっかり忘れてしまったというわけです。
アフガン編みは棒針編みやかぎ針編みとはまた違って、往復編んで一段になるという特徴があります。
行きは下の段の目に針を引っかけて糸を引きだす、という作業をするのですが、このときの引き加減が縦の目を作り、返りの引きで横の目ができるというのが、織物のようで、これがアフガン編みの一番の魅力だと思っていました。
ただ、その魅力的な部分が、伸縮に欠けるという印象を持っていたため、今までは小物ばかり作っていたんですね。
でも、今回のようにマフラーを編んでみると、糸と針の選び方次第で風合いを変えることができるんだということを感じました。
このマフラーはアフガン針の5号で編んでいます。
この太さを棒針で編むなら、3~4号くらいになると思います。
アフガンの面白さは、糸に対して多少太めの針で編んだとしても、棒針ほどシビアな結果にはならないような気がするということ。その理由としては、往復で一段になるという編地の特徴が、厚みという立体感と空気感を感じさせるからではないかという気がします。
今まではアフガンというと工作のようにペンケースや鍋つかみなど、ほんとうに小物ばかり編んでいたのですが、アフガン編みで風合いを追求したら魅力的なウェアものが編めそうな予感がしてきました。